金融用語集

ブレグジット
ブレグジットとは、EUからイギリスが離脱する事を意味します。イギリスを意味するBritishと、離脱を意味するexitを組み合わせてブレグジット(Brexit)と呼ばれます。

イギリスはEUの前身であるEC(欧州共同体)時代からの加盟国ですが、伝統的に他の欧州各国と距離を置いた政治姿勢を取っていたため独立志向は強く、長年にわたって離脱が議論されてきました。
特に問題視されたのは、移民問題です。
EUでは、加盟国間の移動に際しては国境を越える際にも出入国審査が無く、パスポートも必要としていません。国を跨いで仕事に就く事も容易です。結果として景気の悪い国から景気の良い国へと大量の移民が発生し、先進国でありEUの中でも比較的経済状態の良いイギリスには、ブレグジットが取り沙汰されるようになった頃には、移民数が年間あたりで約20万人となっていました。

通常他国からの人の移動はその国の法律によって制限が出来ますが、EU加盟国ではその国の法律よりもEUのルールの方が重視されるため、イギリス単独で移民を制限する事は出来ず、イギリス国民の間でEUへの不満が募りました。1993年にはEUからの離脱を掲げるイギリス独立党が結成され、2014年の欧州議会選挙においてイギリスで労働党や保守党を抑えて1位となります。これにより、イギリスのEU離脱の是非を問う国民投票への圧力が高まり、2016年6月23日に国民投票が実施され、EUからの離脱に賛成の意見が過半数を上回ったためEU離脱が決定しました。

その後、EUとの離脱交渉は難航し三度の延期が行われましたが、2020年1月31日をもってイギリスは正式にEUを離脱しています。

文責:グランネット

2020年10月末日現在の情報を元につくられております。