金融用語集

原油価格
原油価格とは、自由市場において原油が取引される際の価格を指します。
原油取引は自由取引市場によって取引が行われます。その際の取引価格は、自由市場の基本である需要と供給によって決定されるため、取引時間中は常に変動しています。

原油はさまざまな影響により価格が変動します。需要面の主な要因としては、世界経済の動向やエネルギー事情、交通需要の変動や新技術によるエネルギー消費の変化などが挙げられます。供給面としては、主に産油諸国の供給動向が強く影響します。石油を算出する国は世界でも限られるため、産油国の方針が原油価格に直接的に影響を及ぼします。利益を狙った戦略的産油制限や政治的思惑からの供給促進など、産油国を取り巻く政治事情が原油価格の変動要因となります。

原油価格には、現物取引の価格を示すスポット価格と、将来の取引に向けてあらかじめ額を設定しておく先物価格の2種類があります。スポット価格は石油業などの実需を反映しており、先物価格は長期的需要や投機需要が価格に反映されます。

原油価格はまれにマイナスになることがあります。原油の在庫を抱えるには貯蔵施設の利用料がかかります。需要が極端に低下し、貯蔵コストがかさんでしまうと、お金を払ってでも引き取ってもらったほうが得というケースが起こります。そのような状況では、原油価格がマイナスになり、売り手側がお金を払って原油を引き渡すことになります。

文責:グランネット

2020年10月末日現在の情報を元につくられております。