今さら聞けないキャッシュレス2021年版

  • LINEで送る

キャッシュレス決済はここ数年で急速に拡大しています。実際、支払いにクレジットカードや電子マネー、QRコード決済を使うことが増えたという人も多いのではないでしょうか。なかでもQRコード決済は、この3年ほどで一気にユーザーが増えました。そこで、もっとも注目度の高いQRコード決済を中心に、現金派の人も既にキャッシュレス決済を使っている人も知っておきたい基本の情報を解説していきます。

キャッシュレスの種類

まずは基礎から押さえていきましょう。
キャッシュレスには、大きく①カード決済、②タッチ決済、③QRコード決済の3つがあります。それぞれ以下のような内容です。

利用者急増中のQRコード決済とは?

キャッシュレスの中でも、ここ数年で使用者が一気に増えたのがQRコード決済です。QRコード決済の使い方は2種類あります。

消費者提示型はPOS端末のあるコンビニやドラッグストアなど大型チェーン店で多くみられ、一方の店舗提示型はPOS端末がなくても使用できるため、飲食店、花屋、美容院など町の小さなお店で多く使われています。

また、清算方法は主に2つあります。

なぜ急速に広まったのか?

QRコード決済が一気に広まった大きな理由は、他の先進国に劣る日本のキャッシュレス利用率を上げるため政府が力を入れていることと、店舗にもメリットが大きいことです。

クレジットカードや電子マネーで決済できるようにするには、店舗側で専用端末を導入する必要があります。そのコストのほか決済手数料もかかり、例えばクレジットカードの場合、店舗がクレジットカード会社に支払う決済手数料は1%~7%程度。売り上げの数パーセントを決済手数料として持っていかれるのは痛手ですから、小さなお店では現金オンリーのことも多いのです。

そんな中、QRコード決済は店舗側の初期費用(導入費用)が安く、一定期間は決済手数料が無料のところがほとんど。コスト以外面だけでなく、レジで現金のやりとりをする手間も省けるといったことから、導入する店舗が増えたわけです。

利用者にとってのメリット利用者にとってのメリット

ただし店舗側の決済手数料無料は期間限定。例えば小さなお店で使えることの多いPayPayは、2021年10月1日から手数料が有料になります。これをきっかけに利用を取りやめるお店が出てくる可能性もあるかもしれません。

ユーザー側のQRコード決済のメリットとしては、「スマホにアプリをインストールすれば使える手軽さ」「現金を持ち歩かなくていい」「会計がスムーズ」「支払履歴をすぐ確認できる」などがあります。なかでも最大のメリットは、お得なキャンペーンが数多く実施され、大きな還元を得られることです。

ユーザー獲得のため、2018年12月のPayPayによる還元キャンペーンを皮切りに、QRコード決済のサービス会社はお得なキャンペーンを次々実施しています。例えば、「ある一定期間にQRコード決済を利用して支払うと決済額の●%がポイントで還元される」といったものです。

QRコード決済のチャージをクレジットカードで行うことで、QRコード決済のポイントとクレジットカードのポイントの2重取りが可能になるため、「ポイ活」をする人たちとっては、QRコード決済の利用は常識といえるようです。

QRコード決済の選び方は?

QRコード決済サービスは続々種類が増えています。代表的なサービスと特徴は以下のとおりです。

ここであげた以外にもたくさんの種類があるQRコード決済。そこから自分に合ったサービスを選ぶポイントを挙げてみます。

【ポイント①】ポイントの使い道が多いこと

決済サービスによって貯まるポイントは変わります。ポイントの使い先が多いと活用度も上がるので、ポイントをどの店(実店舗、オンラインショップ、提携サービスなど)で使えるか先に確認しましょう。自分がよくお店、よく使うオンラインショップでサービスを利用できるかもチェック。

【ポイント②】通信会社やクレジットカードと合わせるのも◎

QRコード決済のうち、通信会社系と呼ばれるのがPayPay(ソフトバンク)、d払い(ドコモ)、auPAY(au)、楽天ペイ(楽天モバイル)です。通信会社のユーザー以外でも使えますが、ユーザーだと還元率がアップしたり、通信費の支払いで貯まったポイントをそのまま残高として決済に利用できたりします。

また、PayPayはYahoo!JAPANカード、LINEPayはVisa LINEPayカード、d払いはdカード、楽天ペイは楽天カード、auPAYはauカードのように、QRコード決済と特定のクレジットカードと組み合わせて使うとお得度がぐっとアップします。

QRコード決済(キャッシュレス決済)の注意点

QRコード決済及びその他のキャッシュレス決済を使うときには注意点もあります。

【注意点①】たくさんの種類を使いすぎない

QRコード決済は簡単に登録できますが、たくさんのアプリを入れてしまうと支出やパスワードの管理が大変になります。また、クレジットカードの場合はたくさん持ちすぎると紛失のリスクも増します。キャッシュレス決済全般にいえますが、使う種類を限定して自分の管理できる範囲に収めるのが基本。使わないアプリは削除、不要なクレジットカードも解約しましょう。

【注意点②】本当にお得かチェックする

「QRコード決済はほかの支払い方法よりもお得」と思いがちですが、キャンペーンや特定のクレジットカードとの組み合わせがなければ、そうでもないことも。例えばPayPayの基本還元率は0.5%、LINEPayは0%です。それに対してクレジットカードの基本還元率は、リクルートカードは1.2%、楽天カードは1%です。QRコード決済=お得と思い込みがちですが、タイミングや使い方によって変わることもあるので確認を。

【注意点③】現金の方がいい場面もある

スマホ決済には充電切れや電波が届かないと使えないという弱点があります。その点、カードタイプ(クレジットカードや電子マネー)にはその心配はありません。さらにいえば、大災害のときには、スマホ決済やカードタイプでの決済ではなく、現金(特に小銭など細かいお金)が役立ちます。キャッシュレス時代とはいえ、ケースバイケースで使い分けることが必要です。


今回はキャッシュレス決済について解説しました。今後もキャッシュレス化は進んでいくと見られますが、自分に合ったサービスを取捨選択し、管理できる範囲内で使うのが鉄則です。利用方法に注意して上手に使いましょう。

  • LINEで送る