NISAのつみたて投資枠(NISA)の上限はいくら?満額の是非と積立額の決め方・変更方法
この記事の目次
NISAはいくらまで積立できる?
つみたて投資枠には年間120万円の投資枠がありますが、上限まで投資すべきかどうかは別問題であり、家計とのバランスが重要です。
非課税枠1,800万円は長期運用前提の制度であり、仕組みの理解が重要です。
1-1. NISAはいくらまで積立できる?
いわゆるNISAの投資枠は2つあります。まずつみたて投資枠として、年間120万円まで(月額換算で毎月10万円まで)です。
もう一つ、必ずしも積立購入ではない枠として成長投資枠が年間240万円あります。
そしてNISAでは、つみたて投資枠(120万円)と成長投資枠(240万円)を併用が可能です。
1-2. 非課税枠1800万円とは?
NISAには「一人あたりの非課税保有限度額」があります。
前述の、つみたて投資枠と成長投資枠を合わせて合計1,800万円までが限度額となっています。
内訳として、成長投資枠は最大1,200万円までと決まっています。
つまり、つみたて投資枠だけで1,800万円使い切るのはOKですが、成長投資枠だけで1,800万円分の利用は不可(上限1,200万円)という仕組みです。
NISAのつみたて投資枠は満額やるべき?
NISA制度では、満額投資が正解とは限りません。収入・支出・ライフプランに応じた判断が必要です。無理して満額投資をするのではなく、ライフプランに応じて柔軟な積立設定で対応することも長期投資のコツと一つといえます。
2-1. NISAのつみたて投資枠は満額やるべき?
無理して満額を使い切ることを目指さなくてももちろん十分です。ここは誤解されやすいポイントなのですが、月10万円を積み立てないと意味がないわけではありません。
NISAのうち特につみたて投資枠(NISAのつみたて投資枠)は、月1万円でも5,000円でもいいので、少しでも早く始めて長期にわたって積立運用をすることで、将来的に十分な価値をもたらさします。
特に長期投資として考えると、「いくらから始めるか」よりも、長期投資と複利の効果を想定した上で「いかに長く続けられるか」のほうが重要となるでしょう。
また、NISA制度を活用している人の中には、「非課税枠を使い切らないともったいない」と感じる人もいるでしょう。
しかし実際には、NISAは“非課税制度”であり、「満額投資を義務づける制度」ではありません。
そのため、毎月の生活費や現金預貯金とのバランスを無視してまで投資額を増やすことは、本来の制度趣旨にそぐいません。
特に20代は、急な転職や独立、結婚など、環境変化が起こりやすい年代でもあります。だからこそ、「今の自分に合った積立額」を柔軟に考えていく視点が大切です。
積立額の決め方
現金預貯金として生活防衛資金(緊急予備資金)を確保した上で、手取りの10%~15%を目安に積立額を設定し、ライフプランに合った設計をおこなうことが重要です。
また、無理のない範囲で始めて、長期的に継続することが大切です。
将来的には住宅購入や子どもの教育資金など、マネープランの変化が起こることも想定し、積立額は適宜見直していく前提で考えましょう。たとえ積立額が当初より減額になることがあったとしても、暮らしに合わせた柔軟な対応は、長期的に見ると安定運用につながる場合があるからです。
3-1. 積立額はどうやって決める?
積立額を決める際、まずご自身の家計状況をしっかり可視化することをおすすめします。これまで紹介してきたように、月1万円や3万円というキリのよい数字だけが積み立てられるわけではありません。人によっては、8,000円や13,000円という金額になることもあります。
積立額はなんとなく設定するのではなく、世帯ごとの家計収支や資産状況に応じて設定すべきでしょう。
なぜなら、NISAのうち特につみたて投資枠では、金融庁も推奨しているように「長期・積立・分散投資」がポイントとなるためです。
つまり、家計に影響がない金額の範囲内で長期的に積立できる金額を把握しておくことが重要です。
そして、NISAのつみたて投資枠を始めた当初とライフプランが変化した際には、その後のビジョンに基づいて再設定することをおすすめします。
例えば結婚して子どもが生まれた場合、それまでのご自身のNISAのつみたて投資枠の額を減らしてでも、子どもの学資保険に充当したいと考えるケースもあるでしょう。
勤務先の都合により、一時的に年収がダウンするケースもあるかもしれません。
そのような何らかの変化がある際は、ご自身にとって、どこに重きを置き、どこを削減するのかという優先度を明確にしておくと柔軟な対応が可能になります。
前述したとおり、手取りの10%~15%が積立額の目安であるとはいわれていますが、あくまでも平均的な目安にすぎません。これよりも金額が少なくてもよいので、長期的な複利の効果を期待して、少額からでもNISAのつみたて投資枠を始めることで、将来的に心強い味方となるでしょうか。
3-2. 少額から始めてもいい?
NISAの「つみたて投資枠」は、制度上は最低金額が決まっていません。
実際の最低積立額は各金融機関(証券会社など)が決めており、現在は多くの証券会社や銀行で100円から、または500円や1,000円から積立可能です。
金融庁のNISA特設サイトでも紹介されていますが、NISAは日本国内に居住している18歳以上であれば、原則として誰でも利用可能です。
つまり18歳以降で大学生のうちはアルバイト代の中から毎月1,000円を積立額に設定し、将来の長期運用に向けて「まず始めてみる」のも良いでしょう。
そして22歳で大学を卒業して社会人になったときに、5,000円や1万円など、ご自身に負担のない額に段階的に増やしていくことも可能です。
NISAのつみたて投資枠では、金額の大小よりも「少額でもいいので長期的に積立運用をしていくこと」の効果が期待できるのです。
ライフスタイルやマネープラン、その時点におけるさまざまな背景から、無理のない金額を設定することがポイントとなります。
NISAのつみたて投資枠は途中で変更できる?

NISAのつみたて投資枠では、どの時点でも増額・減額は柔軟に行え、ライフイベントに応じて見直すことを前提として考えましょう。
最初に設定した積立金額や商品選定を、一度始めた後、まったく見直さないままでいると、結果として運用成果に影響を及ぼす可能性もあります。
ご自身のライフプランやマネープランなどをもとにした積立額の見直しと同時に、積立購入を設定している商品についても、必要に応じて適宜見直すことも想定しておくことが望ましいでしょう。
4-1. 積立額は途中で変更できる?
NISAのつみたて投資枠(NISAのつみたて投資枠)では、積立額の変更は柔軟に行えます。
例えば、
- 毎月1万円からスタートした後に3万円へ増額する
- 家計状況の変化に応じて減額する
- 一時的に積立を停止する
といった対応も、金融機関ごとのルールに沿って設定変更が可能です。
そのため、「最初に設定した金額をずっと続けなければならない」というわけではないのです。
むしろ、NISAのつみたて投資枠は長期運用を前提とした制度だからこそ、ライフプランや家計状況に合わせて見直していくという考え方が非常に重要となります。
例えば20代では、一人暮らしの開始、転職、結婚、出産、住宅購入の検討など、数年単位で生活環境が変わることも珍しくないためです。
そのため、最初に設定した積立額が将来的にも必ず適切とは限りません。
また、先々で積立額を減らすことだけではなく、収入が増えたタイミングで積立額を増やす方法が適切な場合もあります。
例えば、昇給のタイミングや、長く勤務したことでボーナスが安定するタイミング、奨学金返済が終了するタイミング、固定費の見直しにより投資に充当できる金額が増えた場合など、家計に余裕が出てきた際に段階的に積立額を増やしていく方法が現実的です。
反対に、無理をして高額設定にしてしまうと生活費が苦しくなり、途中で積立自体をやめてしまうこともあるかもしれません。
積立投資は短期間で結果を出すものではなく、長期間継続することで複利効果が期待される仕組みだからです。
だからこそ、最初から完璧な金額設定を目指すよりも、「そのときの自分の状況を基準に考えて、当面無理なく続けられる金額」を目安として考えることが大切となります。
また、見直しが必要なのは積立額だけではありません。
積立設定している商品についても、リスク許容度が自身の考えに合致しているか、そもそも現在のライフプランに合っているか、資産配分が偏っていないかなどを定期的に確認しておくことが重要です。
特に長期間運用していると、当初想定していた資産配分から大きく変化することもあります。
そのため、NISAのつみたて投資枠は「設定したら終わり」ではなく、必要に応じて調整しながら長く続けていく制度だと認識しておくと良いでしょう。
4-2. 商品選びはどう考える?
NISAのつみたて投資枠を始める際、「毎月いくら積み立てるか」と同じくらい重要なのが商品選びです。
特につみたて投資枠では、金融庁が定めた一定基準を満たした投資信託などが対象商品です。これは、長期・積立・分散投資に適しているかという観点から選定されているものです。
ただし、対象商品であれば「どれを選んでも同じ」というわけではありません。
例えば、
- 全世界株式型
- 米国株式型
- バランス型
- 国内資産中心型
など、商品によって値動きの特徴やリスクが異なります。
そのときのトレンド商品であっても、自分のリスク許容度や投資目的に合っているとは限りません。
そのため「SNSでおすすめされていたから」「〇〇さんがいいと言っていた」という理由だけで選ぶのではなく、どの地域に投資するのか(日本、アメリカなど)、株式中心なのか、債券も含むのか、どの程度値動きする可能性があるのか、といった基本的な特徴を理解した上で選定することが大切です。
続きはこちら
NISAのつみたて投資枠のインフレリスクとよくある質問(FAQ)・まとめ
株式会社グライブ 金融商品仲介業者 関東財務局長(金仲)第787号
商品等へのご投資には、各商品等に所定の手数料等(例えば、国内の金融商品取引所に上場する株式(売買単位未満株式を除く。)の場合は約定代金に対して所属金融商品取引業者等ごとに異なる割合の売買委託手数料、投資信託の場合は所属金融商品取引業者等および銘柄ごとに設定された販売手数料および信託報酬等の諸経費等)をご負担いただく場合があります(手数料等の具体的上限額および計算方法の概要は所属金融商品取引業者等ごとに異なるため本書面では表示することができません。)。債券を募集、売出し等又は相対取引により購入する場合は、購入対価のみお支払いいただきます(購入対価に別途、経過利息をお支払いいただく場合があります。)。また、外貨建ての商品の場合、円貨と外貨を交換、または異なる外貨間での交換をする際には外国為替市場の動向に応じて所属金融商品取引業者等ごとに決定した為替レートによるものとします。
【リスクについて】
各商品等には株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等および有価証券の発行者等の信用状況(財務・経営状況含む。)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)、または元本を超過する損失を生ずるおそれ(元本超過損リスク)があります。
なお、信用取引またはデリバティブ取引等(以下「デリバティブ取引等」といいます。)を行う場合は、デリバティブ取引等の額が当該デリバティブ取引等についてお客様の差入れた委託保証金または証拠金の額(以下「委託保証金等の額」といいます。)を上回る場合があると共に、対象となる有価証券の価格または指標等の変動により損失の額がお客様の差入れた委託保証金等の額を上回るおそれ(元本超過損リスク)があります。
上記の手数料等およびリスク等は、お客様が金融商品取引契約を結ぶ所属金融商品取引業者等の取扱商品毎に異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書またはお客様向け資料等をよくお読みください。
監修者情報
ファイナンシャルプランナー
大野 翠
独立系ファイナンシャルプランナー。 不動産・住宅購入・家計設計などを中心に、実務と講師の両面からお金に関するアドバイスを行う。 FPとしての実務経験は17年目を迎え、宅地建物取引士資格を保有。
これまで多数の相談・セミナー登壇を通じて、生活に即した資産形成やリスク管理の知識を提供している。 特定の金融商品を販売しない中立的な立場から、分かりやすく実践的な情報発信を心がけている。