投資信託って買うべき、控えるべき?

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初めて投資を検討する場合、候補に挙がることが多い方法が「投資信託」です。もしも投資信託を買うことを検討しているなら、まずは投資信託の仕組みを理解しておく必要があります。投資信託の特徴、メリットとデメリットを十分に理解した上で、投資信託を買うようにしましょう。

 

Step1.投資信託を構成している4者とは?

投資信託は、受益者である投資家、銀行や証券会社などの販売会社、委託者である委託会社(運用会社)、受託者である受託会社(信託銀行)で成り立ち、それぞれに役割を担っています。

1-2.投資家

投資信託を購入する人が投資家です。収益分配金請求権、償還金請求権、受益権の買取請求権、一部解約の実行請求権など様々な権利があります。投資信託を買うと、運用会社が信託金相当額の受益権を発行します。

1-3.販売会社

銀行や証券会社などの金融機関は、運用会社と契約して投資信託を販売します。分配金や償還金の支払い、換金業務を担当します。

1-4.委託会社

受託銀行と契約して受益権を発行し、信託財産の運用指図を行うのが委託会社で、一般的に運用会社と呼ばれます。投資信託委託会社が業務を行います。

1-5.受託会社

販売会社からの資金を信託財産として保管と管理を行い、計算事務を行うのが受託会社です。信託財産の名義人になるのも受託会社で、信託銀行が業務を行います。

Step2.投資信託のメリットとは?

では投資信託で投資を行うことで、どのようなメリットがあるかを確認してみましょう。

2-2.信託財産の管理は受託会社である信託銀行が行う

投資信託の販売会社である金融機関が破綻したとしても、投資家の信託財産は販売会社である金融機関の財産とは別に信託銀行が保管・管理していますので安心だと言えます。

2-3.少額から投資を始めることが可能

投資信託は10,000円ほどの少額から投資することができます。積立投信になると月々1,000円単位で投資することができるため、かなり少額から始めることができるという部分が特徴です。投資というと、ある程度まとまった資金がなければ始められない印象が強いでしょうが、株式投資などと異なり少ない資金で誰でも始めることができる部分がメリットと言えます。

2-4.ファンドマネージャーに運用を任せることが可能

投資というと多くの時間と知識を必要とすると考えられることが一般的ですが、投資信託の場合には運用の専門家であるファンドマネージャーがそれぞれのファンドの運用方針に従い投資判断や取引を行います。ファンドマネージャーに運用を任すことができるため、手間や知識がなくても投資を始めることが可能です。

2-5.分散投資によるリスク軽減が可能

株式投資などのように、1つの銘柄に集中して投資すると企業価値が低下した場合や倒産した場合の株価が急落の影響をそのままに受けます。それによって大きな損失を抱える可能性がありますが、投資信託は複数の銘柄に資金を分散させて投資を行います。仮に1つの銘柄が値下がりしても別の銘柄が値上がりすることにより、リスクを軽減することが可能です。

2-6.様々な資産の種類に投資することが可能

投資信託に組み込まれる資産は、国内外の株価指数、株式、債券、不動産など多種多様にあります。個人ではなかなか投資しにくい発展途上国の株式や債券なども対象にしている商品も多いことから、様々な資産へ投資することができます。

Step3.反対に投資信託のデメリットとは?

投資信託はメリットもあればデメリットと言える部分もあります。どのようなことがデメリットになるかを確認しておきましょう。

3-2.コストがかかる

一方のデメリットとして投資信託を買うことによるコストの問題があります。運用を専門家に任せることにより、投資・運用するファンドマネージャーに対する費用などを支払うことになります。必要になる費用の種類には、投資信託を買う際に必要になる販売買付手数料、投資信託の運用にかかる信託報酬を含むファンドの管理費用、投資信託を信託期間の途中に解約して換金する時にかかる信託財産留保額があります。なお、一部の投資信託には換金できない期間としてクローズド期間が設けられている場合もありますので注意しましょう。

3-3.その他の費用とは?

先に述べた費用以外に、投資信託は「その他の費用・手数料等」がかかります。これは信託財産への監査報酬、租税、信託事務処理での諸費用、売買委託手数料、外貨建資産の保管費用、受託会社の立替金利息など様々ですが、「目論見書」で確認することができます。資産規模や運用状況で変動することもありますし、保有期間によっても異なることがあります。前もって上限額や料率が表示されることはありませんので、その点についても理解した上で検討することが必要です。

3-4.基準価額の変動

また、投資対象が国内株式の場合には組み入れた株式の値動きによって基準価額が上下します。円建て公社債が対象の場合には、金利の変動で組み入れ債券の値動きが変動し基準価額が上下します。株式・一般債に渡り、円建て・外貨建ての両方に渡るものは、株式や債券の値動き、為替相場変動等の影響で基準価額が上下します。それぞれ投資元本を割り込む可能性も理解しておく必要があります。

3-5.元本保証はない

投資信託は一般的な投資商品と比較すると、初心者でも始めやすい投資だと言えます。しかし銀行預金などと違って、運用実績が上がらなければ値下がりした結果として売却額が購入額を下回る可能性はあります。元本保証がないということは理解しておく必要があるでしょう。

Step4.ただしリスクは必ず危険ではない

リスクは危険なことだと捉えてしまいがちですが、リスクは将来受け取る金額が決まっていないことを意味します。リスクだから悪いというわけではなく、リスクによって将来利益を得る可能性もあるということです。反対に定期預金のようにリスクを取らない金融商品の場合には、将来得る利益も期待できないということになります。現在は超低金利時代と言われる状況のため、このリスクがない金融商品でリターンを期待することは難しくなっています。

4-2.銀行預金で運用した場合

預金に預け入れると将来受け取ることができる元利金は約束されます。このような確定利付商品の場合、期間1年で年利0.3%の定期預金に100万円預金すると、税金分を考えなければ満期時には100万3,000円受け取ることができます。しかし投資信託は将来どのくらい受け取ることができるかの約束はされていません。先にも述べた通り、投資信託に組み入れた資産の持つリスクが影響して基準価額が上下する可能性があります。投資の世界ではこのことを「リスク」と呼んでいます。

Step5.メリットもあればデメリットもあるけれど…

投資信託の特徴として、少額投資が可能、運用を専門家に任せることができる、分散投資によるリスクの軽減などのメリットがある半面で、コストの発生、元本保障がないといいったデメリットもあります。しかし日経平均株価を買おうと思ったら日経平均株価を構成する225種類の株式を購入することになり、資金として億円単位必要になります。投資信託なら日経平均と同じような値動きをするものを1万円単位から購入することができるというのは大きなメリットと言えるでしょう。たくさんの投資家からの資金を1つにまとめて大きな資金にして運用するといった、投資信託での特徴が活かせられています。

まとめ

これらの点も踏まえて、投資信託を買うべきかを検討してみましょう。もっと投資信託について詳しく知りたい!という場合にはセミナーなどに参加してみてはいかがでしょう?一生懸命働くのは自分だけではなく、お金にも働いてもらうことを検討してみましょう。投資は多額の資金がある富裕層だけが行うものではなく、1万円や場合によっては数千円単位から始めることができるものなので誰でも可能です。将来必要になる資金の備えを作るためにも、まずは専門知識のある人の話を聞いてもっと詳しい、そしてためになる知識を習得してみてはいかがでしょうか?

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