マイナス金利なのになぜ円高?

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円安に導くために導入されたマイナス金利政策は半年を過ぎても日銀の意図とは裏腹に、円相場は1ドル100円の節目を突破し、物価は下落基調。しかも銀行の貸し出しも増える傾向はありません。

このままでは何のためのマイナス金利導入だったのかと、日銀の狙いは外れたままになるのでしょうか。

今後円安になる可能性は?

ドル円レートは日米金利差が開けば円高で推移するという経験則で考えることが多いように思われます。

このことから考えればマイナス金利導入は、これ以上下がる余地がないと思われていた日本の金利をさらに下げる可能性を高めます。

本当なら円安をもたらすはずで、実際に金利はほぼ低下していますが想定とは異なる結果になっています。

マイナス金利を導入していく他国の状況は?

先にマイナス金利を導入しているスイス・スウェーデン・デンマーク・ユーロ圏で見た場合には、経験則による想定通りの為替レート変動を実現している状況です。

このことから考えられるのは、いずれマーケットが落ち着けばドル円レートも金利差の動きに反応して再度円安に転じていく可能性もあります。

現在の市場は?

市場では急激な円高ドル安が進んでおり、アベノミクスの効果も薄らいできたと言わざるをえない状況です。

ゼロ金利からさらにはマイナス金利を導入することを決定し、FRB(米国の中央銀行にあたる連邦準備制度の中枢機関)は昨年末に利上げを実施。再び年内には利上げを行う可能性も考えられています。

ドル円為替レートの価格を形成する最大の要因としてあげられるものは日米の金利格差と言えるでしょう。

日米金利格差が拡大している中、円高ドル安が進むといったこれまででは考えられない状況が起きています。

なぜ日米金利格差が広がっているのに円高?

一見すればFRBは利上げ、日銀はマイナス金利という日米間の金利格差は拡大しているように感じるでしょう。

しかし実際のところ実質金利格差は2015年末以降急激に縮小しており、投資家の間では円需要が増加し円高が進んでいる状態です。

これまでの日本はアベノミクスの効果で期待インフレ率が上昇し、日米金利格差も拡大して円安ドル高が進んでいました。

しかし期待インフレ率が低下したことで日米金利格差が縮小してしまい、円高ドル安の流れに戻っている状況と言えるでしょう。

今後の予想は?

来年4月には消費税の引き上げも予定されており、それによって国内消費は減速することが予想されます。

再度デフレ圧力を増大させる一方で、海外投資家に円への安心感を与え財政の健全化を図ろうとしていくでしょう。

今後は円高の流れをさらに強固なものにしてしまうかもしれないとも考えられます。

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