マネーニュース!マイナス金利が世代間に与える恩恵と負担増とは?

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借り入れは得で預金は損?

 日本銀行が導入したマイナス金利政策。凶と出るのか吉と出るのかは今後のマイナス金利政策がどう影響しているかを確認していく必要があります。 第一生命経済研究所の現時点(平成28年3月現在)で考えられる年代別世帯ごとに対する影響を試算によると、住宅ローンを抱える世帯が多くなる30~40歳代は年7,000円超のプラス効果、そして預金に依存度を高く持っている70歳代以上は年1万円以上のマイナスが出る見込みと考えられています。

 

 マイナス金利が及ぼす生活への影響

 マイナス金利政策が導入され、金利が低下したことによって国民の生活はいろいろな部分で影響を感じています。大手銀行の普通預金金利は0.001%まで引き下げられ、証券会社取扱いの公社債投資信託MMFが販売停止になるなど金利が収益源になる金融商品は向かい風としか感じられない状況です。高齢者世帯で資産を多く保有している世帯ほど辛い状況といえるでしょう。

 逆に借入れを検討していた人には良い傾向に作用しています。とある銀行の変動金利型住宅ローンの金利は0.5%を下回ったり、別の銀行では10年固定金利期間選択型住宅ローンの金利が1%を下回るといった状況です。家族成長期や形成期を迎える30代から40代世帯にはうれしい状況かもしれません。

 資産運用にうまくマイナス金利を活かすために

 資産運用で注目したいのは金利だけでなく収益源です。金融商品の収益源は、金利、外国為替、株価、不動産、商品の5種類です。市場特有のリスクがそれぞれあるので許容度を考えてリスクと上手く付き合いことが大切です。

 例としてあげると、金利が低下すれば借入れのコストも下がります。このことは不動産投資にとってはプラスですが不動産投資信託にとってはマイナスでしょう。そして企業の場合、発行済株数を減らすことで配当金の負担を削減できれば、1株の利益が増えるので株価が上昇する可能性もあります。また、配当金を渡す負担よりも借入利息を支払う負担を取るほうが全体のコストを抑えることができる場合もあるかもしれません。

 個人の住宅や教育ローンについては、これまでなら繰上げ返済を行い少しでも利息の負担を減らしたほうが良かったのですが、超低金利のローンの場合は繰上げ返済するメリットは特にありません。

 利息の負担を少なくするよりは、長期に渡って超低金利でローンが利用できるという恩恵を享受したほうが良いでしょう。そうすれば繰上げ返済にあてる予定だった資金は他の資産運用や投資にまわすこともできます。

 まとめ

 マイナス金利は家庭や企業に様々な影響を与えています。現状維持を貫くのか、変化をつけるのかはそれぞれ環境によって方向性も変わってくると思いますが、預金などで受け取る利息だけで生活が成り立つ世の中ではなくなったということでしょう。

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