2つ契約したほうが良い?個人年金保険の複数契約を考える

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2017年4月に公的年金の0.1%引き下げが実施され、今後も受給年齢開始時期や継続した受給額引き下げが予測される公的年金。巷では「下流老人」「老後破産」などいう言葉をメディアで見かける機会も増え、老後を見据えた資産形成をより真剣に考える人が増えています。そんな中、個人年金保険の複数契約を検討する人も出てきました。今回は個人年金保険の複数契約について、考えていきましょう。

老後資金準備として定番の個人年金保険

老後資金準備として定番の個人年金保険は、多くの人が老後の不安軽減のために真っ先に思いつく手段。60歳までコツコツ積み立て、一定の据え置き期間を経て毎月に分けて受給できる個人年金保険は、まさに老後資金のための商品です。

支払い中の節税効果や元本割れしないという確実性の高さで人気の個人年金保険ですが、「途中解約すると損」をしてしまうことや、「最終的な受け取り金額は積み立て金額に対してそれほど増えない」などの特徴を考えると、複数契約を考える前に他の手段についても一度考えた方がよさそうです。

個人年金保険以外にも有効な老後資金手段

では個人年金保険以外の老後資金の準備手段について、考えてみましょう。

・ 個人型確定拠出年金iDeco
iDecoは、加入者が毎月の掛け金を積み立てながら運用し、個人年金保険同様に積み立てたお金を毎月分割で、もしくは一時金として60歳以降に受け取ります。iDecoも「毎月の支払い額が全額所得控除」「運用益は非課税」など、大きな節税効果があります。

また個人年金保険は毎月の払込額が決まっていますが、iDecoの場合は掛け金の自由度が高く、最低金額の5,000円〜上限額まで1,000円単位で掛け金を決定できるほか、年に1回、途中で金額を変更することができます。また家計状況に応じて支払いの中断・再会も自由に行うことが可能です。

iDecoはこのように自由度が高いほか、投資・運用という側面から、資産が目減りするリスクもゼロではありませんが、「資産を増やせる可能性」が高まります。

・投資信託
長期運用を前提とした投資信託も、老後資金準備の手段として有効な方法の一つです。金融庁のシミュレーターを利用し、毎月2万円を30年間積み立てて運用したと仮定すると、インデックスファンドの平均利回りと言われる4%で計算した場合、30年後に受けとることのできる金額は実に個人年金保険で同様期間積み立てた場合の1.5倍以上になります。もちろん投資ですので元本割れするリスクはゼロではありませんが、「お金を増やせる」という可能性がグンと高まります。

投資信託の中でも非課税枠が設けられており、少額から貯金感覚で積み立てられる「つみたてNISA」などもありますので、老後資金を考える際には一度検討してみると良いでしょう。

「老後に受けとるお金を増やして不安を軽減したい」「節税できる」という観点から言うと、有効な老後資金の準備手段は個人年金以外にもあります。老後資金も「確実性」と「お金を増やす」という2つの側面に着目し、手段を分散して準備を行うのが良いでしょう。

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