日経平均のチャートは円建てだけでなくドル換算してチェックが必要な理由とは?

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1.円換算とはどういう意味?円換算は取引している外貨を円に換算したらいくらになるかを表します。例えば1ドルが100円の時に10万ドルを買っていれば1,000万円相当の価値のドルを保有していると考えます。では円ではなくドル換算はどうでしょう。

  • ドル建て日経平均とは?

海外の投資家が日経平均のチャートを見る時には、円ではなくドルに換算して考えます。日経平均が少し下がったとしても円高であれば海外投資家にとってはお買い得にはなりません。逆に持っている株を売る時は円高の時が得です。

2.株の売買と円安円高の関係

海外旅行などに行く時には、円を外貨に両替して使うでしょう。同様に海外投資家が日本株を購入する際にはドルを円に替え、逆に売る時は円をドルに替えます。

海外投資家が日経平均10,000円の時に購入しようとした場合、円が80円なら125ドルが必要です。90円なら111ドルで購入できます。ということは、海外投資家が日本株を買う時は円安の時のほうにメリットがあります。

そして売る時は逆になります。同じく日経平均10,000円の時に売れば1ドル80円なら125ドルになりますが、90円なら111ドルです。日本株を売る場合は円高のほうにメリットがあるのです。

  • 日経平均ドル換算値の計算方法

海外投資家は為替レートを計算して買い時と売り時を考えます。そのため海外投資家の考えを知るためには、同様に日経平均をドル換算した日経平均ドル換算値=ドル建て日経平均値を見ることが必要です。

海外投資家にとっては円建ての日経平均株価の上昇下降だけで損得判断はできません。

少し手間をかけて換算する必要があり、日経平均の始値、高値、安値、終値をそれぞれ1ドル何円かで日経平均を割りドルで表示します。

例えば日経平均10,000で1ドル80円なら日経平均ドル換算値は125ドルになります。というわけです。

3.海外投資家の動向を探る必要がある理由とは

日本の株式市場に参加している投資家が日本からだけなら普通に円建ての日経平均だけを見るだけでもかまいません。しかし海外投資家の東証一部の売買代金に占める割合は5~6割のため、株式市場への影響力は大きいのです。

テレビなどメディアで海外投資家の一斉買い越しなどが報道された際に、なぜ一斉買い越しなのかという理由について日経平均株価のチャートを見ても納得できない場合があるでしょう。しかし海外投資家が見ている日経平均ドル換算値の株価チャートを見れば納得できるはずです。

株価と一部の投資家の売買動向との因果関係ははっきりと明確ではありません。海外投資家の買いで株価が上がるのか、それとも株価が上がることを捉えている海外投資家が買いを入れるのかも判然とはしません。間違いなく言えることは、株価は企業業績や景気によって決まるということだけです。

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