社会保険の二重加入は可能?手続きの方法とは?

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会社勤めをしている人は、勤務先で社会保険に加入していると思います。この社会保険には健康保険と厚生年金保険があって、従業員だけでなく社長や役員でも加入することができるようになっています。一般的に社会保険への加入手続きは入社したと同時に会社が行うことになっています。

 

 

 

2か所以上で勤務している人の社会保険はどうなる?

現在会社勤めをしているけれど別の仕事を始めることになるケースもあります。例えば副業でアルバイトを始めた場合や、会社の代表が別の会社を設立し両方から報酬を受けとっている場合などです。2か所以上から雇用されている場合には、社会保険の加入はどのようになるのでしょう。2か所から社会保険に二重加入することになるのかと疑問に感じる人もいるようです。

社会保険の加入要件

社会保険は社会保険が適用されている適用事業所と使用関係にあって、労働の対価を賃金として得ているのであれば被保険者になります。

・短時間就労者(パートタイマーなど)の場合

1か月の労働時間や労働日数が一般社員の4分の3以上の場合に社会保険加入の対象となります。一般社員はフルタイムの正社員なので、基準になるのは1日8時間、1週40時間の労働ですパートやアルバイトの場合には、この労働時間が保険加入の可否に関係します。

・有期契約の従業員の場合

契約期間の定めの有無は社会保険の加入に影響しません。有期契約の場合でも上記の例でいうと、1日8時間で週4日勤務なら計32時間なので一般社員の4分の3以上の勤務となり、社会保険に加入する必要があります。

社会保険の二重加入はできる?

社会保険に二重加入してしまう可能性が高くなるのは複数の会社で雇用される場合です。それぞれの勤務先とも短時間勤務のため、社会保険の加入要件を満たしていない場合にはどちらでも社会保険に加入することはありませんので、この場合には国民健康保険に加入する必要があります。2か所のうち1か所は社会保険の加入要件を満たすという場合にはその会社で社会保険に加入することになります。そして2か所とも社会保険の加入要件を満たしてしまうという場合には、所定の手続きを行うことで社会保険に二重加入することが可能になります。

社会保険の二重加入の方法

複数の会社で社会保険の加入要件に該当する場合には、二重加入の手続きを行うことになります。保険者や管轄年金事務所が会社ごとに異なる場合には、要件を満たした日の翌日から10日以内に「健康保険・厚生年金保険被保険者所属選択・2以上事業所勤務届」の提出を行います。この場合、いずれか一つの保険者もしくは管轄年金事務所を選択して被保険者本人が届出を行いますが、選択した会社を経由する形での提出となるでしょう。あとは該当する会社で賃金の合算額を基準に標準報酬月額が決定し、保険料はそれぞれの会社ごとの賃金で按分されて給料から差し引かれることになります。

社会保険の仕組みの理解をしておくこと

複数の会社に勤めていても、所定の要件や手続きを満たすことで社会保険の二重加入が可能になります。手続きを怠っていてあとから社会保険料の未納分を請求されることのないように、社会保険の取り扱いについては理解を深めておく必要があります。

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