副業で税金の支払いが必要な場合とは? 勤務先にばれずに済む方法も伝授

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新型コロナウイルスの感染拡大による収入の減少をカバーするために、副業を始めたという方も多いのではないでしょうか。

副業での利益が一定額を超えた場合、確定申告をして税金を納めなければなりません。また、こっそりと副業をしたいという場合、確定申告の方法を間違えると勤務先に副業が発覚する恐れがあります。

そこで今回は、副業で収入を得た場合に、税金の支払いが必要なケースや勤務先にばれるのを防ぐ方法など幅広く解説します。

副業の所得が20万円を超えたら確定申告が必要

そもそも、会社員は基本的に確定申告をする必要はありません。会社員の場合は、給与に対する所得税や復興特別所得税特別を勤務先が計算し、毎月の給与や賞与から天引きする形で代わりに納めてくれるからです。

ただし、その際の税金は概算で計算されているため、毎年12月に「年末調整」をして、1年の給与総額や受けられる所得控除から正式な税金額を確定させます。

つまり、会社員の場合は年末調整が確定申告の代わりになるのですが、もしも副業の所得が20万円を超えると、確定申告書を作成して税務署に提出し、税金を納める必要が出てきます。

なお、メルカリなどのフリマアプリを利用している人も多いと思いますが、衣服や家具など生活必要品を販売して得た儲けは、営利目的でない限り非課税となります。

所得とは収入から必要経費を差し引いた金額

「所得が20万円を超えた場合」の「所得」は、収入から必要経費を差し引いて計算します。よって、副業の収入が20万円を超えていても、必要経費を差し引いた所得が20万円を超えていない場合、確定申告は必要ありません。

例えば、副業の収入が25万円だったとしましょう。経費が2万円の場合、所得は23万円となるため確定申告が必要です。一方で経費が10万円だった場合、所得は15万円となるため、確定申告をする必要はありません。

経費とみなされるのは、以下のような収入を得るために必要であった支出です。

《必要経費とみなされる支出の例》
・商品の発送代、梱包代
・パソコン、カメラなどの仕事に関する道具や備品
・通信費(電話代、インターネット代)
・賃貸物件の管理費、光熱費、固定資産税
など

こういった経費にあたるものの領収書やレシートなどは、きちんと保管しておきましょう。

所得の区分を確認する

経費を引いても20万円を超えてしまった場合には確定申告をする必要があります。確定申告をする際には、所得の区分ごとに金額を集計して申告書に記載します。そのため、副業の所得が、どの区分に当てはまるのかを確認しておきましょう。

《所得の区分》
給与所得:本業以外の仕事で受け取った給与(飲食店やコンビニエンスストアでのバイトなど)
事業所得・雑所得:ブログ収入、せどり、ハンドメイド作品の販売などで得た利益(※事業所得とみなされるのは「事業として継続している」「客観的に見て事業として成立している」などの条件を満たした場合)
不動産所得:不動産投資で発生した家賃収入
譲渡所得:不動産投資や株式投資で発生した利益
配当所得:株式投資で得た配当金

なお、確定申告時には、以下のような書類が必要になります。ただし、副業の種類によっては他の書類が必要な場合もあるので、不明点は税務署に相談してください。

【準備しておく書類】
・源泉徴収票(本業分。副業が給与所得にあたるならば副業分も)
・副業にかかった経費の領収書、レシート
・マイナンバーカードまたは通知カード

副業所得が20万円以下でも確定申告が必要なケース

副業での所得が20万円以下でも確定申告をしなければならない場合があるので、注意が必要です。まず、医療費控除や初年度の住宅ローン控除(減税)で確定申告をする場合。そして、副業でアルバイトをして給料を受け取っている方などは、金額にかかわらず確定申告が必要となります。

また、副業での所得が「給与所得」にあたる場合、例えばダブルワークをしていて別の会社からも給料をもらうなど、2ヵ所以上から給与をもらう場合には、所得がいくらであっても確定申告をしなくてはならないので、注意してください。

副業所得が20万円以下でも住民税の申告は必要!

よくある勘違いなのですが、副業での所得が20万円以下なら納める必要がないのは「所得税」です。所得に対してはもう1つ「住民税」という税金がかかり、こちらは副業の所得がいくらであっても納める必要があります。

もしも副業での所得が20万円以上で確定申告をするのであれば、その際に住民税の納付方法を「普通納税」と選択することで、後ほど住民税の納付書が送られてきます。

しかし、20万円以下で確定申告をしなかった場合は、最寄りの役所で住民税を申告し納税する必要があります。申告書は役所のホームページからダウンロードできるので、忘れずに納付しましょう。

副業が会社にばれるのを防ぐ! 確定申告の方法

副業していることを会社に知られたくないという方もいると思います。そんなときには、確定申告書の「住民税の徴収方法の選択」の欄にある「自分で納付」にチェックし、住民税を「普通徴収」で納める必要があります。

もし確定申告時に、住民税の納税方法を「給与から天引き」にチェックすると「特別徴収」となってしまいます。特別徴収を選択すると、副業の所得も考慮された住民税額が勤務先に通知され、「給料に対して住民税が高額ではないか?」と疑われて、副業がばれるきっかけになってしまいます。

普通徴収を選択した場合、自宅に送られてくる納付書をもとに住民税を納税するため、副業が会社にばれるリスクを減らせます。ただし住民税を普通徴収で納めても、同僚との会話などから勤務先に副業が発覚するリスクをゼロにはできません。副業をする場合は、事前に勤務先の担当部署に問い合わせて許可を得ると安心です。

副業の所得を確定申告しないとどうなる?

副業で20万円以上の所得を得ているにもかかわらず確定申告をしないと、「無申告加算税」や「重加算税」などの、ペナルティの対象となる恐れがあります。

また、所得を本来の金額よりも少なく申告した場合は「過少申告加算税」、期限内に申告をしなかった場合は「延滞税」を課せられる可能性があります。確定申告の期限は、副業の所得が発生した翌年の2月16日〜3月15日です。申告が必要な場合は、期限内に正しい金額を申告しましょう。

確定申告で税金を還付してもらえる場合も

副業での取引先に企業が含まれている場合、報酬を受け取る際に10.21%の税金が源泉徴収されていることがあります(※100万円を超える部分については税率が20.42%となります)

もし源泉徴収された税金の金額が本来の税額よりも多かった場合は、確定申告をすると税金を還付してもらえる場合があります。

最後に

副業で収入を得た場合、経費を差し引いた所得が20万円を超えている場合、確定申告で税金を納める必要があります。もし確定申告をする場合は、住民税の納税方法を普通徴収にすると、勤務先に発覚するリスクを減らせます。

確定申告が必要にもかかわらず、申告をしないとペナルティの対象となる恐れがあるため、忘れずに申告をしましょう。

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