投資信託販売は銀行のノルマ達成が優先されている?

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営業マンと呼ばれる人は会社でノルマを達成することに必死になりがちです。このプレッシャーに負けてしまえば、顧客に対して強引に契約させてしまうといった、気持ちの先走りが行動になってあらわれる可能性もあります。
ノルマに翻弄されるのは金融機関の営業担当者も同じで、マイナス金利で利ザヤ収益が著しく悪化したことにより、各銀行は収益確保に懸命になっている状態です。
その一方で、収益を確保することを目指す計画に疑問を持つ声もあります。商品ごとに販売ノルマを設定し、現場を管理していく方法は本当に正しいのかという疑問は、今後議論を呼ぶことになると考えられます。

 

収益確保に苦しむ銀行の実態

銀行で預金の受入れや融資、さらに有価証券運用に回すことを行っても、利ザヤ確保は実情困難な状況です。しかも日銀の当座預金に預ければマイナス金利で費用を負担しなくてはいけなくなるなど、いずれにしても収益確保が困難な状態だと言えるでしょう。
そのため、ある有力地銀は、2017年度「投資信託販売1500億円」という計画を打ち出しています。投資信託の販売を強化し、預金が膨張することを防いで手数料が多く入ることを目的としています。

 

投資信託販売を強化する銀行は多い

このような投資信託販売の強化を掲げているのは、この有力銀行以外にも存在します。
これまで銀行は半期ごとに本部が商品の販売目標を策定し、それぞれの支店に目標値を配分して収益計画を立てることが一般的でした。
支店は配分を受けた目標計数をそれぞれの営業担当者に振り分けて、目標を達成するために営業部門は稼働するという形になります。
しかしこの形は、金融庁が推し進めている顧客本位の業務運営という考えとは異なっているとも言えます。
そのため、投資信託の販売目標を設定した上で支店に計数を配分することは、販売ではなく顧客に対して、はめ込み営業を促すだけではないかと疑問の声が挙がっているようです。

 

今の銀行の販売スタイルは継続される?

信託銀行や資産運用会の資産運用部門では、半期ごとに運用報酬額が目標設定されていたこともあり、その目標で現場も動いていたようです。
しかし長期の見通しならまだしも、半年など短期での運用報酬額に対する目標設定は冷静に考えればあり得ません。
投資信託販売に対する目標やノルマ設定については、現在ノルマを課せられている営業担当者も、どうしてあのような事が続けられていたのかと近い将来反省や疑問の声が出る時は来るでしょう。
実際、既に地銀の一部では個別商品に対する目標設定を廃止する動きも見られますし、目標設定を廃止したことで収益がガタ落ちしたという話もありません。

 

投資信託を検討する際の注意点

現在の管理手法を廃止すること、変更することには抵抗があるでしょうし、勇気が必要です。実際、目標を与えられなければ不安になる営業現場も存在するかもしれません。
しかし顧客を第一に考える営業スタイルを重視するという面では、やはりノルマに沿った営業手法は今後見直されるべきだと言えるでしょう。
投資信託を検討する際には、このようなノルマ重視という目線に翻弄されないように、自分の目的や重要に合う商品を購入するようにする事が大切です。

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